某日某所、放課後のファミレスにて。
サラダにフライドポテト、ドリンクバーが揃い、テーブルの上には腹を刺激する匂いが広がったが、それらを頼んだ男子高校生3人は至極真面目な面持ちだった。顔面偏差値が高いだけに、ドリンクバーを取りに行くすがら振り返る女性客や店員も何人か居たが彼らはそんなことには気づくことも無かった。
ひとつの溜息すら躊躇ってしまうような、誰一人として話し出す雰囲気の欠片も無い中でその内の一人、夜がこほんと咳払いをした。

「さて、頼んだもんも揃ったし」
「?」
「....」
「お前らの好きな人教えろ」

ニッと意地悪く笑った夜は、モデルをしているだけあってそんな笑みを浮かべても妖艷に映ったが、ジャーファルは呆れたように溜息をついた。

「はぁ、そんなことだと思いましたよ」
「え、え?」
「普通に名前上げるのもつまんねぇから、特徴上げて当てていくってのはどうだ?」
「平和島くん、良いですね?」
「お、おう??」

明らかに何も分かっていない池袋最強の男を他所に、かくして言い当てゲームはスタートした。

夜「まずは俺からな。えーと、金髪で」
ジャ「(アリババくんですねぇ....)」
静「?!(やべぇ、俺金髪だ)」

夜「金色の目でタレ目で」
ジャ「(アリババくんですよね)」
静「(黄瀬ってタレ目だったっけ?)」

夜「わんこみたいで」
ジャ「(可愛いですよね)」
静「(え、黄瀬....?え?!)」

夜「年下にも慕われてる!」
ジャ「(信号機組可愛いですよね)」
静「(あれ、ゴミみたいな扱いされてなかったっけ....?)」

夜「さ、誰だ?」
ジャ「アリババくんですよね。想うだけなら勝手ですがその先となると私もちょっとね....」
静「あ、アリババか....黄瀬かと思って焦っただろ....」
夜「....俺が今一番焦ってる」


ジャーファルの宣言や静雄の思わぬ思考回路に夜は、ゲーム一問目だというのに軽く疲れた。なにこれ、なんかこう、もっと男子高校生らしくワイワイなるはずじゃ無かったっけ?


ジャ「次は私ですね。んー、色白で」
夜「(夏目だな)」
静「(夜兎....?!)」

ジャ「目は黄金色で、睫毛が長くて」
夜「(黄金色かぁ....そういう表現もあったか)」
静「(まつげ長い....黄瀬....?あれ?)」

ジャ「お人好しで、優しくて」
夜「(惚気けた....)」
静「(の、望か....?!)」

ジャ「夜もとっても可愛いんですよ」
夜「(アウトォォォォォ!!!!!!!!)」
静「(よ....夜?!)」

ジャ「さぁ、誰でしょう」
静「よ、夜....お前らまさか....」
夜「ちげぇよ?!ここは夏目だろ?!」

涼しげな顔して微笑むジャーファルに冷や汗を流しつつも、バトンは静雄に渡る。夜は既に疲れきっていた。一日を通してハードな仕事をこなした時よりも疲れた気がする。

静「次は俺か....」
夜「(糸色だろ)」
ジャ「(望さんですよね)」

静「俺は望が好きだ」
夜「すげーキリッとした顔で言ってるけど、言い当てゲームだからなこれ、知ってたけど」
ジャ「安定ですねぇ....」

夜から哀れんだような、そしてジャーファルから生暖かい目で見られながら、静雄は首を傾げた。池袋最強の男はとても案じられていた、いろんな意味で。

その夜――――

銀子「次は、夜ジャかジャ夜か!!!!!!!!どうしよう白兄!!!!!!!!」
白「帰ってきたらまず手を洗えと言ってるだろう」